時を越える毒性

興味深い記事を見つけました。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200802220087.html

肉まんでめまい…食べる前日のことでした カルテで判明


2008年02月23日

 大阪市の業者が中国から輸入し、農薬成分のメタミドホスが検出された業務用冷凍食品「青島ニラ肉焼まん」を食べた広島県の男性(73)が「めまいが起きた」と訴えた問題で、広島県は22日、男性がめまいを起こしたのは、ニラまんを食べる前日だったとして、報道機関に発表した資料を訂正した。男性や診察した医師らに再度確認し、判明したという。

 県は当初、男性は1月31日と2月1日にニラまんを食べたと発表していたが、実際には1月19日と同24日にニラまんを購入し、それぞれ数日かけて食べたと判明。男性は購入前日の1月18日にふらつきなどを訴え、医師の診察を受けていたことがカルテから分かった。

広島県の男性(73)からニラまんを食べて「めまいが起きた」との訴えをうけて広島県が検査したら、農薬成分が見つかった。そのため当該商品は回収。でもめまいが起きたのはニラまんを食べた前日だったという話。
摂取する前にさかのぼって毒性を及ぼすなんて想像つきませんでした。でも化学物質の感受性は個人差が大きいらしいので*1、人によっては摂取する前に症状が出ても不思議ではありません。なんといっても、めまいが起こったという健康被害を無視するわけにはいきません。また、有機リン系の毒性はまだまだ解明されていない点が多いらしいです*2。奥が深いですね。そういえば、水を加える前に水に溶解する物質チオチモリンなんていうのもありました。

*1:wikipedia化学物質過敏症の項目より引用:化学物質過敏症(かがくぶっしつかびんしょう)は、非常に微量の薬物やある種の化学物質の摂取によって引き起こされる健康被害。薬物や化学物質に対する許容量を一定以上超えると引き起こされると考えられており、個人差が大きい。化学物質の摂取許容量と同様に、発症原因および症状、その進行・回復速度や度合いも多種多様。

*2:高知新聞の社説 http://www.kochinews.co.jp/0701/070111editor.htm より: 国内では有機リン系農薬と慢性毒性の関係について科学的に明確に解明されていない。