シャンプーを薄めてはいけない4つの理由


福留さんがシャンプーを「シャンプーを3倍に薄めて使うだけでのも環境破壊を遅らせることがでるのです。」などと言ってるので*1、薄めてはいけない理由をあげてみる。

  • 手にとったときにこぼれる

市販のシャンプーは扱いやすいようにわざとある程度の粘度が付与してあります。もしシャンプーが水のように低粘度であればうまく手に適量を保持することができず、手からこぼれる量が増えて結局は無駄になってしまう量が増えるでしょう。ポンプ式の場合だと、粘度が低い場合には勢い良く出すぎてうまく手にとれないこともあります。 シャンプーを水で薄めてしまうと粘度が低下して取り扱いやすさが低下するのでこのような無駄が増えます。

  • 分離する

一部の成分は分離するかもしれません。たとえば、もともと透明なシャンプーの外観に光沢感を付与するために脂肪酸グリコールエステルなどの微結晶が用いられたりします。この微結晶は、シャンプーと同じ比重のものを使うことで浮いたり沈んだりするのを防いでいます。比重が高ければ沈んでしまい、低ければ浮いてしまうのでちょうどいい比重に調整しているのです。
水で希釈するとシャンプーの比重が変化するので、これらの成分が沈降(もしくは浮上?)してしまいます。また、水で希釈することによる粘度低下もこの沈降(浮上?)速度を早めます。

  • 効果が落ちる

リンスインシャンプーやコンディショニング効果の高いシャンプーには、コンディショニング成分としてカチオン化ポリマーが含まれていることが多いです。これはまわりの界面活性剤濃度が減少すると析出してきて不溶化するという便利な性質を持っています。つまり、シャンプー中ではよく溶けているのですが、シャンプーを洗い流す際には析出してきて髪に付着し、コンディショニング効果を付与する、といったことが可能になるのです。これがリンスインシャンプーの基本的な原理ですね。
このような成分は洗い流すときに析出・付着するように設計されているので、薄めたまま保存すると髪の毛ではなく容器で析出してしまうかもしれません。そうするともちろんコンディショニング効果は低下します。

  • 微生物が増える。

シャンプーを薄めてはいけない最大の理由がこれです。浴場は高温多湿の環境で、微生物が増えやすい状態です。市販のシャンプーは使用環境での防腐を考慮してつくられており、必要最低限の防腐剤かもしくは防腐効果のあるものが含まれています。
シャンプーを水で薄めた場合、これらの防腐効果を持った成分が希釈され、また水分量も増えるために微生物が増えやすい環境になってしまいます。
薄めたシャンプーを使っていていつもと違う臭いがしたら、そのシャンプーはおそらく微生物に汚染されています。