ラウリル硫酸ナトリウムは工場では防護服を着て扱う危険な物質ですか

ラウリル硫酸ナトリウムには何の義理も無いんですが、のりかかった船?です。ラウリル硫酸ナトリウムは工場では防護服を着て扱わなければならないくらい危険なんだよ!と、こんな話がネット上ではちらほら見られるので、書いて見ますね。


ラウリル硫酸ナトリウムの試薬びんには、『必要に応じ、防毒マスク、保護手袋等を着用してください』って書いてあるそうです。そして、工場では、防護服を着て扱わなければならない、危険な物質だそうです。どこかのサイトにそう書いてありました。防護服が必要だなんて、どうやらとても危険な物質のようです。怖いですね。


きっと、日常生活で触れる化学物質にはまだ知らないだけで危険な物質がたくさんあるんでしょうね。気になったので調べて見ました。どこかのサイトによれば、試薬びんに注意書きが書いてあるそうなので、試薬メーカーである和光純薬株式会社のホームページ*1から試薬のMSDS検索をしてみました。*2とりあえず日常生活でよく触れそうな化学物質から見ていくことにしました。
そうしたら、こんなのが出てきました。

7. 取扱い及び保管上の注意
(中略)
粗暴な扱いをしない。
漏れ、溢れ、飛散などしないようにし、みだりに蒸気を発生させない。
使用後は容器を密閉する。
取扱い後は、手、顔等をよく洗い、うがいをする。
指定された場所以外では飲食、喫煙をしてはならない。
休憩場所では手袋その他汚染した保護具を持ち込んではならない。
取扱い場所には関係者以外の立ち入りを禁止する
安全取扱い注意事項 : 吸い込んだり、目、皮膚及び衣類に触れないように、適切な保護具を着用する。
(中略)
8. 暴露防止及び保護措置
(中略)
保護具
呼吸器の保護具 : 保護マスク
手の保護具 : 保護手袋
目の保護具 : 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具 : 保護衣、保護長靴

しょっぱなからすごいのが出てきたようです。吸い込んだり、目、皮膚および衣服に触れないように、適切な保護具を着用しなければならず、その保護具というのは「保護マスク、保護手袋、保護眼鏡、保護衣、保護長靴」ということらしいです。つまりすごい重装備で扱わなければならないようです。どうやらとても危険な物質のようです。こんな物質が、シャンプーや化粧品など、ほとんどの身の回りのものに含まれているのです。


実は、この物質の名前は、「精製水」です。つまり、不純物をとりのぞいてより純度を高めた、ただの水です。水はとても危険なものだったんだよ!


そういえば、水には溶血作用があるんでした。水に赤血球を入れたら壊れるんでしたっけ。高校の生物で習いました。溶血作用があるので危険な物質だと判断できます。しかもラウリル硫酸ナトリウムなんて問題にならないくらいの高濃度で触れることが多いので大変危険です。こんな危険な物質が、シャンプーやハミガキ剤などに含まれており、触れるたびに私たちの体に経皮吸収されて蓄積されていくなんて、とても恐ろしいことです。しかも水は分子量が18と小さくとても経皮吸収されやすいです。
ラウリル硫酸ナトリウムは工場では防護服を着て扱う危険な物質と主張される先進的な方は、水を摂取することもお風呂に入ることも即刻やめて、水はラウリル硫酸ナトリウム以上の危険な物質だと主張なされるべきだと思います。どうしてもお風呂に入りたければ、防護服を着るべきだと思うのですがいかがでしょうか。


害があろうがなかろうが、工場では定められた服とかマスクとかして扱うものだと思いますよ。普通。
それにラウリル硫酸ナトリウムで防毒マスクなんてしません。


似たような話で、プロピレングリコールは危険物に指定されているから危険という説があるんですが、この場合の危険物っていうのは消防法上で定める危険物であって、燃える液体である、くらいの意味です。「危険物第4類 第3石油類 (水溶性)」となっているんですが、ちなみにこれはグリセリンと同じ(危険物第4類 第3石油類 (水溶性))です。しかもシャンプーとかハミガキ剤に配合する場合は希釈してるから燃えないんで危険物にすらならないというおまけつき・・。

*1:http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/msds.htm

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