ames試験: サルモネラ菌の表記について

10年以上ブログ書いてないのでよくわかりません >< たぶん10年以上前の、細かい話です。

 

Ames試験は、化学物質等が微生物に突然変異を起こすかどうかをを検査する最も汎用される試験法です。Amesさんが開発した試験法で、発がん性のスクリーニングとして用いられています。農薬、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品添加物、食品容器、、あとなんだろう?様々な分野で用いられます。

 

試験としては、特定のアミノ酸が存在しないと増殖できない微生物を使って、その特定のアミノ酸が無い培地と化学物質(等)といっしょに培養するんです。普通なら増殖できないはずなのです。でも突然変異を起こすことができた微生物は、増殖できることがあるんです。すごい!進化した!突然変異か!

 

んで、化学物質を加えたものと加えないものを比較して、化学物質を加えたもののコロニーが二倍以上あったら、これは化学物質が突然変異を誘発したかもわからんね→変異原性の疑い? となるわけです。

 

サルモネラ菌の場合は、ヒスチジンが無いと増殖できない、大腸菌の場合はトリプトファンが無いと増殖できない微生物がよく使用されます(酵素を加えるなどいちいち細かい説明しません)。

 

使用されるのがサルモネラ菌の中のネズミチフス菌です。

種はイタリックで書くお約束なので、ネズミチフス菌は 歴史的にはSalmonella Typhimurium だったのですが、変遷もあって、Typhimuriumは種じゃなくて血清型だからイタリックで書くのおかしいよね? ということで、Typhimuriumのイタリック表記をやめました。 
Salmonella enterica
subsp. enterica serovar TyphimuriumTとなりました。

省略名称はSalmonella Typhimurium で Typhimuriumはイタリックではなく立体です。そういうことになりました。

 

わかってない人も多くて、食品安全委員会の委員が Salmonella Typhimurium の Typhimuriumが立体なのはおかしい、違和感がある、などと言いだしたこともありました。(ソースは出しませんが議事録はあります)。委員の言うことで反対は無かったのでその後も Salmonella Typhimurium で通ったんですけど、Salmonella Typhimuriumで資料を提出した、事務局は相当優秀だと思いました。私はちゃんと見てたよ!見てたよ!事務局の人優秀!応援してる!

 

当時でも EFSA Journal (欧州食品安全機関) では普通にSalmonella Typhimurium の表記を使ってたんで、感度高い人は普通に知ってたんです。食品安全委員会の委員がEFSA Journal読んでないことなんてある?文句が一つもでない!?さぼりすぎでは。昔のガイドラインだと普通にイタリック表記ですが、みんなわかってて修正に手間かけない選択なのかな。今でも普通に Salmonella Typhimurium などと書いてるのときどき見るとこいつまじかって思います。用語にこだわるのはADHDとか言われるけど、科学に携わるなら用語はちゃんとしよう

 

なんかフォントが途中から変わってる?はてなブログよくわかりません><