松煙

環境サヨクウォッチング。ダイオキシン環境ホルモン対策会議のニュースレター 第49号から*1

家具、家屋には、様々な化学合成の塗料、防水剤、防腐剤が使われている。なかには、シックハウスやアレルギー、癌の原因になるものもあるといわれている。一方、松煙、柿渋、ニカワなどの自然素材を用いた防水・防腐効果のある塗料も、ほんの半世紀ほど前には盛んに使われていた。それらは、シックハウスや発がん性と無縁だった。

発がん性と無縁だったって本当か?「松煙」は、松の根を燃やしてつくった煤なのだけれど。まず、木材のほこりには発がん性がある*2と評価されているし、木材の抽出物にも変異原性が確認されているので何か残ってたら発がん性あるかもね。そして、煤だけど、煤は1920年代にロンドンの煙突掃除の人が陰嚢がんにかかる原因物質とされた由緒ある発癌物質である多環芳香族炭化水素(PAH)を含んでいます。そして、煤の主体であるカーボンブラックも発がん性があるかもしれない*3とされています。


で、どうして発がん性と無縁だったと言えるのか。曝露量はおそらく少ないだろうけど、PAHは揮発するんだが。全ての松煙についてPAH含有量を測定でもしてるの?してなければ、「発がん性と無縁」なんて言えないと思うのだが。自然由来のものは安全だと思い込みたいだけじゃないか。

*1:http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin03_50_07.html

*2:IARCではgroup1,発がん性がある

*3:IARCの評価でgroup2B