何番煎じか知らないけど三笠フーズ事故米のアフラトキシンのリスクについて大雑把に計算してみる。


http://www.maff.go.jp/j/press/soushoku/syoryu/pdf/080905_2-01.pdf より、三笠フーズ事故米アフラトキシン検出の最高濃度は0.05ppmで量は約10000kgでした。
安井先生がハイリスクグループについての計算をやってるみたい*1なので、私もハイリスクグループについて計算してみます。


事故米の量は約10t。一人あたりの年間米消費量を60kgとして、生涯(70年間)とり続けたとすると、24人で消費できる計算になります*2。この24人がハイリスクグループってことで計算しますね。
この10tの米に含まれるアフラトキシンは、10000kg×0.05mg/kg = 500mg 、 この500mgを、24人(体重50kgと仮定)、70年間にわたって消費すると一日あたり、500/24/365.25/70/50 * 1e6(ngに換算)= 16.3ng/kg/dayの摂取になります。


疫学調査から、B型肝炎ウィルスに感染している場合は、10万人あたり0.3、感染していない場合は0.01であるので、感染率を5%とすると、10万人あたり、0.3×0.05+0.01×0.95 = 0.0245 の発がんとなります。


0.0245は一年あたりの発がんなので、生涯発がん率に直すために70(年)をかけて、16.3ng/kg/dayをかけると、10万人あたり27.95になります。
というわけで、ハイリスクグループでは生涯発がんリスクが2.79e-4だけ上昇しそうです。これは、火災で死亡するリスク(6e-4)の約半分の値です。つまり24人は火災で死ぬ確率が1.5倍増し・・・という感じのリスクです。
24人じゃなくて3000人くらいで均等に消費したとすると、落雷(2e-6)で死亡するリスクと同じくらいになります。またVSD(virtually safety dose, 実質安全量)が1e-6(百万人に一人が生涯のうちに発がんするリスク)とされているので、6000人程度で均等に消費した場合にはVSDになり、ほとんど無視できるリスクになります。