無断リンク禁止・引用禁止は表現の自由の侵害って何回言われてきたことか。

思うところあって、化学物質とか環境系の市民団体とかNPOのサイトを見て回ってます。同じものを見てる(と思う)のにどうしてこんなにも見解が違うのか不思議に思っています。やっぱり政治運動などがからむといろいろあるんでしょうか。中には困ったことに、無断リンク・引用禁止を主張するサイトがありました。100歩譲って仲間内だけで楽しみたい同人サイトならわからなくもありませんが、そのようには書いてないようです。無断リンク・引用禁止、と言われると、困ったことに、内容についての論評が行えなくなります。これは昔、通ってきた道なような気がします。「無断リンクの禁止は表現の自由の侵害」とか。この問題に関しては過去に膨大な量の文書があるはずです。
以下、日本市民の化学ネットワーク設立委員会ホームページ内の、「【知財】著作物不正使用取締を強化中(2007/05/25)」から。自動的にリダイレクトされるらしいので、されたくない方はJavaScriptを切って確認して下さい。

JPCCNでは、公共財としての化学情報の信頼性を保全するため、著作物不正使用の取締を強化しております。
JPCCNでは、以下の行為は全て認めておりません。従って、行使した場合は、著作権法違反に問われる可能性があります。

* JPCCNに無断で、Webサイトやブログにおいて、JPCCNのウェブサイトの任意のウェブドキュメントやスクリプト等へのリンクを設ける行為(アクティブではない、URLのみの記述も含みます)。
(略)

リンク禁止、URLの記述も禁止だそうです。引用元を示せないので、自動的に引用も禁止です。

インターネット上の情報は無料で入手できて当たり前と考えている方も多いといいます。常識ではありますが、今日のインターネット社会の現状ではご存知ではない方があまりにも多いようですので、あえて説明させていただきます。
どのようなメディア形式の情報であっても、その情報が著作者の努力のうえで公開されていることには何ら変わりはありません。ですから、インターネット上の情報を無料と思い込み、ましてやその情報を、著作者がその利用状況を把握する前に私物化しようとする行為は、著作者の努力や善意を弄ぶ、非常に身勝手な社会的に許されない行為です。引用することは、著作者の認知度が高まるので、無断でやろうとも構わないという考え方も非常に独善的な考え方です。また、付帯する文章表現や引用のしかたによっては、誤解を招くような場合があり、場合によっては著作者が気づかないうちに重大な被害(潜在的なものを含む)を受けることがあります。そのため、引用などで著作者の情報を利用しようとする者には、どのような引用や利用を意図しているのかについて、著作者が十分に理解する機会を設け、コンセンサスを得る機会を、著作物利用許諾申請でもって設ける社会的責任が課せられます。(略)

きっと私の知らないインターネット社会があるんだと思いました。バーナーズ・リーはきっと別の何かを生み出したんでしょう。
無断リンク・引用禁止を主張するだけなら自由ですけど。あまりいっても仕方無いような気がしますが、公共財として化学情報の信頼性を保存したいと望むならオープンな場で批評を受け入れるべきだと考えます。
有名な専門家でさえも専門以外はトンデモになる例をたくさん見てきたんで、私も気をつけようと思います。